まえがき
旅行中はボルスターもブランケットもブロックもないですよね。でも、問題ありません。プロップ(補助具)なしでも、最高にリラックスできるヨガを可能にする方法を紹介します。
心を落ち着かせるリストラティブヨガを必要とするのは、旅行中や出先かもしれません。空港や駅は最終目的地へと急ぐ人々で混雑しています。売店やセキュリティチェックの行列は延々と伸び続け、無愛想な航空会社の職員やバスの運転手に一言文句を言っているかもしれません。でもそんなことはやめましょう。あなたのストレスレベルが急騰しているからそのような行動を起こしてしまうのです。旅行のストレスから体は休息を求めて消化を促し、その結果、血液は手足から消化器や生殖器へと流れ込みます。心拍数と呼吸が低下し、免疫システムは必要に応じて活発に働きます。
リストラティブヨガは、副交感神経系として知られる「休息と消化」機能を促すと言われるヨガスタイルの一種です。リストラティブヨガはブロックやボルスター、ブランケット、椅子、サンドバッグなどプロップをふんだんに使用して体を支えて行います。その穏やかな特徴から、がん患者や体のひどい痛みを抱える患者などに対して多くの医療現場で取り入れられています。体を支えることから、長時間ポーズを取ることが可能です。アクティブな姿勢を取る場合に比べ、受け身の姿勢でいる時に私たちはより深いリラックス状態に入ることができます。
しかし率直に申し上げましょう。リストラティブヨガは旅行のストレスに大変効果的である一方、多くの人は混み合った機内や電車内の荷物置き場にボルスターやヨガブランケットを持ち込むことはないでしょう。それでは、どうしたら旅先でリストラティブヨガの恩恵を受けることが可能でしょうか?マットや数枚のタオルそして壁があれば十分なのです。
横たわるコブラ(スプタバッダコナーサナ)
まずはこのポーズからスタートし、まずは体の緊張を解きほぐしましょう。
手持ちのマットを転がして円柱にするのではなく、手前から奥に折り畳んで四角く整えます。もし手元にあるのが薄いトラベルマットならば、その上にタオルを敷いてから、マットを手前から奥に四角く折り畳んで、より厚みを持たせます。巻いたマットの前部に、自分の仙骨をマットの端につけた状態で座って開始します。その上にゆっくりと仰向けになります。もし頭がマットの先端から外れてしまうようであれば、巻いたタオルか薄い枕を頭の下に敷きましょう。
膝を曲げて両足の裏を合わせてゆっくりと両足を開いていきます。内股を開くのが辛い場合、外股の下にハンドタオルを2枚丸めて敷きましょう。リストラティブヨガのプラクティスでは、大きなストレッチではなく、むしろ自然に体を開くことの方が重要です。そうすることで自分自身をより穏やかな状態へと導くことが可能になります。最低でも7分間そのままの状態を続けましょう。